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石山 新太郎; 武藤 康
日本金属学会誌, 66(6), p.662 - 669, 2002/06
高温ガス炉ガスタービン発電システム(HTGR-GT)用ターボ機器の軽量化を目的に、目標周速度500m/sを達成するためのC/Cコンポジット材を用いたタービンディスクモデル(外径内径厚さ=450mm250mm40mmt)の試作を行うとともに、このディスクモデルの高速回転試験の結果、下記結論が得られた。(1)ディスクモデル周方向,半径方向及び厚み方向への炭素繊維含有量をそれぞれ40vol%,10vol%及び4vol%としたC/Cコンポジットディスクモデルに、SiC化I-CVI法による緻密化処理を施すことにより、ディスク表面から厚み中央部にかけてマトリックス材中に2.5~20mのSiC層を形成することができた。(2)ディスクモデルのSiC化I-CVI処理は、ディスク構造強化ならびに高速回転試験における周方向炭素繊維剥離防止に効果があることが明らかとなった。(3)ディスクモデルの高速回転試験の結果、当初目標周速度(500m/s)を達成した。この達成値は、過去の二~三次元強化C/Cコンポジット製小型ディスク試作体のスピンテストで達成された値としては最高値である。(4)高速回転試験中のディスクモデルの破壊プロセスは、ディスク内径側からの亀裂発生とその伝播が外径表面に至る過程で生じることを明らかにした。
石山 新太郎; 武藤 康
日本金属学会誌, 65(11), p.993 - 1001, 2001/11
600MWt級高温ガス炉ガスタービン直接サイクルのフィージビリティスタディにおいて、ターボ機器性能向上を目的に三次元強化C/Cコンポジットガスタービンディスクの1/5スケールモデルを設計/試作するとともに、試作体の高速回転時の性能評価を行い下記結論を得た。(1)外径内径厚さが400mm300mmt30mmの世界最大級の3次元強化C/Cコンポジット製ガスタービン用ディスク1/5スケールモデルの試作を行うことにより、実機スケール規模のディスクの製作可能性を確証した。(2)1/5モデルのスピンテストにおいて、13,800min以上の回転速度では、周方向炭素繊維層の剥離を生じたが、それ以下の1/5モデルが健全体の場合について従来の二~三次元強化C/Cコンポジット製小型ディスク試験体並みの周速度(~380m/s)を達成した。(3)さらに、同一製作法で製作した中実ディスクの場合ではHTGR-GT実機の回転性能条件を満足できる性能を達成できるものと判断された。